2021通常枠 岡山県・香川県応募団体の公開

■応募団体の公開(岡山県・香川県)

中国5県休眠預金等活用事業2021の公募にあたり、岡山県では以下の5団体からの申請を受け付けました。香川県では以下の2団体からの申請を受け付けました。(受付順に掲載/2022年2月25日公開)

 

NPO法人むすびこぶ(岡山県美作市)

事業名:若者と子ども達が社会とつながる場をひらく

当、特定非営利活動法人むすびこぶは、さまざまな生活上の困難を抱える児童生徒や若年者の支援を主な目的としつつ、さまざまな背景をもつ人々がそれぞれの望みに応じた多様で充実した生を送ることができる地域を実現するため、地域産業の経営改善や文化の発展に資することも目的に掲げている。
この事業で対象となる美作市を中心とする勝英地域は、現代の、全国の地方が抱えているのと同様の、人口減少と少子・高齢化が進行している。産業規模の小ささから地域住民の所得水準は総じて低く、一方で経済と社会のグローバル化と自由化がもたらした消費動向の変化にさらされ、地域のさまざまな生活に直結する商店や工務店など地場の産業が疲弊、衰退し、その少ない所得の大半が地域外に流出する状態も近年大きく進行してしまっている。
このような状況下、高等学校を卒業しても近隣地域に進学する学校も就労の場も少ない状況があって、多くの若者が進学や就職の場を求め地域外に流出し、地域に残った若者たちは活況とは言い難い地域の産業に就労し低所得の状態を余儀なくされている。しかし一方ではデジタルデバイスやコンテンツとその基盤となる通信や電力の消費が大きく伸びたため、本来必須であるはずの生活消費を抑え込んでしまった結果として困窮状態に陥る世帯も増えてきている。
また、地方においてもサービス産業をはじめ様々な業態において複雑に絡み合った不寛容さが支配する状況などから社会生活に過度のストレスを覚える個人が増えてきたためか、引きこもりやニートなど社会的不適応の状態を示す若者が着実に増えてきており、またおそらくは学校においても同様の要因で、友達同士、教師などとの関係、あるいは発達障害と認知される児童生徒の増加なども相まってか、不登校状態に陥る者も着実に増えてきている。
このような状況下では、世代を重ねるごとに所得水準はさらに低くなり、また社会に関与できない個人が増加していった先に(すでにそのような状態にある地区もあるが)、人々が活力を失い、地域社会を支えるべき交流も文化も喪失し、個々がばらばらに細々と自治体などのサポートに頼りながら生活を送る未来が招来されることさえ懸念される。
そこで、同じ危機感を持って、将来にわたり活力ある地域を作るための活動に取り組む地域の動きに加わり、当法人ならではの方法により彼らの選択肢をより多様なものとして、若者達が一己の人間として、諦めではなく、「今、ここにあること」を肯定し誇りを持って地域で生きていける環境を整えることに取り組みたい。
そのために、次のような活動を展開する。
・美作市林野地区または湯郷地区に1戸建て等の建物を確保する。
この地区を選定した理由は、ひとり親世帯の率が高く、また人口がある程度集中していることや中学校、小学校に近く児童生徒にとって交通の便も比較的良好である一方、衰退した旧商業地や温泉街のため空き家率も高いことなどから、試行的な意味合いの強い今回の事業の目的に合致すると考えられること。および、市内他地区で展開されているコミュニティカフェ等の事業地と適度に離れ、地区ごとの特色ある支援のあり方を推し量るために適していると考えられること。の2点が挙げられる。
・当該施設を、当法人の事務所/デザイン事業のスタジオ/子ども食堂/コミュニティカフェ/若者や子ども達の学びのスペースなどの機能を持った、多目的施設として整備する。
・デザインスタジオとしての機能とともに、複数のPCを導入し、画像処理やドローイング、コーディングなど、デジタルコンテンツ制作について学び、実践できる環境を整備し、関心がある者が制作活動や学習に利用できるようにする。また希望すればデザイナーなどプロの制作スタッフによる指導を受けられる環境も整える。
・コミュニティカフェは地域に開かれた場として、誰でも利用できるものとし、その機能の一部を子ども食堂に振り向ける。一部は通所利用できない児童生徒への配送、将来的にはキッチンカーなど一時的な屋外販売拠点を設定するなどして、距離の問題の解消にも努める。
なおスタッフは、できるだけ就労支援を必要とする利用者の保護者等を雇用する。
メニューは、おにぎりと日本茶を主力商品とし、ここにオプションとして栄養バランスの取れた副食を加える。おにぎりを選定した理由は、可搬性が高い食品であり、長時間滞在できない利用者には持ち帰りが可能であること、来所できない利用者にも届けやすいこと、ある程度時間が経過しても食べやすいこと、さらには、協力農家からもっとも入手しやすい米を主体とした食品で一定の低コスト運営がはかれる可能性が高いこと、などが挙げられる。
・遊びや学習を通じて相互に影響を与え合いエンパワメントがはかれる可能性に期待し、引きこもり等の課題を抱える若者達と、不登校等の課題を抱える子ども達を一堂に会するかたちで集わせ時間と空間を共有させる。特に若者達には子ども達への関与を通じて自らの学びや進路の動機付けの機会が生まれることを期待している。
・収益の基盤は、デザイン事業を中心とする。地域企業の販促に寄与するため、チラシやパンフレット、冊子等の受注制作事業、webサイトの受注制作事業、自社発行情報紙や自社運営の地域ポータルサイトへの広告料、自社開発商品等の販売を当面行うことにより収益基盤とする。
また、それ以外にコミュニティカフェでの販売やデータ入力業務の受注、地域企業からのアウトソーシング業務の請負などを売上として想定している。
これらの事業を実施しながら、通所利用する若者や自宅で就労を希望する若者の中からデザインやコンテンツ制作に携わる者、マネジメントスキルを磨き経営に参画する者を育成することを目指し、関係機関の機関誌や広報誌の編集発行事業の受託、アプリケーション開発やデジタルコンテンツの販売などを行い安定的な収益基盤を確立することを目指す。
一定程度の収益基盤が確立でき、新しい事業展開ができる状況が生まれれば、市内他地区での新たな拠点運営を開始する。
また、拠点運営を当法人だけで拡大することを目指すのではなく、市内や近隣の企業や団体により同様のコンセプトに基づく拠点運営が開始され、広く市内全域で子ども達や若者のエンパワメント、企業業績の改善や既存の社会資源の見直しによる起業など地域活性化が図られる環境づくりを、関係機関等と連携しながらサポートする体制を整える。

 

NPO法人ゆいか(島根県津山市)

事業名:若者就労支援事業

概要としては、岡山県津山市地域に就労に関する基礎学習に関する教室を整備する。また就労に関する支援だけだはなく、支援者の居場所の機能も果たせるように整備を進めていく。ビジネスマナーやコミュニケーショントレーニング等を通しての職業訓練、企業での職場実習(通所前期・中期)等を行い、一般就労をする上で必要なスキルを身に着ける。具体的には、農機器、コンバイン、トラクターなどの整備、修理についての研修や木工などの作業の研修を行う。(まき割り、林業などの含む)

 

NPO法人吉備たくみ会(岡山県倉敷市)

事業名:手しごとX若者支援 世代を越えて学び合い、伝え合う場づくり

☆解決する課題
・様々な理由で就職が難しい、学校生活になじめない若者が増えている⇒障害者と認定されないと支援が受けられず、社会から取り残される
・学校生活が苦手で徐々に行けなくなり、家にこもってしまう子どもが増えている⇒フリースクールやどんな形式の授業も嫌がり、家族でさえも嫌ってしまう
・上記のような若者や子どもたちを支援する選択肢が少なく社会から取り残される⇒様々な可能性を持つ彼らを誰が、どのように受け入れるか

☆目指すべき姿
・どのような境遇の若者/子どもたちも受け入れて支援する居場所がある⇒障害の有無や行政の担当課によって利用可/不可とすべきではない
・ものづくりに関心のある子/若者は多く、人は誰でも様々な創造力を持っている⇒コミュニケーションが苦手な子どもでも可能性を見つけられる居場所が必要
・地域に開かれた場所として誰でも利用でき、年齢や経験など関係なく学び遊べる⇒他人とのコミュニケーションが苦手でも自然と社会とつながっていく

☆実践する活動
ものづくりを中心とした手仕事を経験/体験できる居場所の運営

☆出口戦略(活動の持続)
・運営の財源として製品の売り上げ、講座/教室の参加費や受講料、体験会費等見込む
・運営者としてひきこもり状態であった若者に自主的に関わって行くことを目指す
・地域に開かれた工房としてボランティアを積極的に受け入れる

 

④NPO法人妊娠しぇるとSOS(岡山県岡山市)

事業名:危機的妊娠をした居場所のない妊婦のシェルターとなる建物の建設・運営と就労支援への準備

『解決する課題』
高校生の妊娠、未婚や家族との折り合いの悪い状態での妊娠などは妊娠の継続を望んでも安心して過ごせる居場所がないことがある。また、非正規雇用で妊娠を機に退職したり就労せず妊娠した場合は、出産後に乳児を保育しながら就労するのは難しいことが多い。

『目指すべき姿』
妊娠の継続を望む方は安心して妊娠期を過ごし、出産に向けて準備ができる環境で過ごすことができる。出産後に就労する場合、希望する職業に就き自立した生活ができる。

『実施する活動』
居場所のない特定妊婦や出産後の母子に対して、一時保護を行い、緊急的な住まいを提供し、多職種によるそれぞれの専門性を活かした支援を実施する。医療機関(病院・助産院)や自治体と連携し、専門助産師による妊婦健診~育児スキルも含めた産後ケア(妊娠経過が正常で助産院での出産を希望する場合、提携助産院で継続したケアの実施)を提供する。自立に向け、家事等の日常生活上の援助や託児や住まいの確保に向けた支援を行う。就労支援として他団体と連携し多職種で支援を行う。

『出口戦略』
認定NPO法人として社会的に信頼された団体として活動することで税制の優遇措置を利用したり、寄付を募ったりする。また、自治体と連携し活動することで、団体として自走できるようにする。

 

NPO法人備前プレーパークの会(岡山県備前市)

事業名:多様性を受け入れる包括的な居場所づくり事業

『解決すべき課題』
 ここ数年の社会の閉塞感、新型コロナウイルス感染の影響をうけての社会的変化、教育環境や経済状況の激変により困難さが浮き彫りになってきた家庭への支援の必要性を強く感じている。 これから社会が取り組むべき課題としてSDGsに掲げられた目標に「質の高い教育をみんなに」「すべての人に健康と福祉を」という目標がある。教育と福祉は両輪のように子どもの成長を支えていくもので、すべての子どもにとって不可欠な要素であるものの、大人が決めた「あるべき姿」の形を押しつけて「子どもが主体」という視点が欠落してしまう社会には、現実の子どもの在り方との齟齬が生まれることになる。 子どもの意欲や主体性を高めるには、まず大人側が現代の子どもの目線に立った教育・福祉環境づくりを行い、子ども自身の自己決定が尊重され、将来に夢を持てる経験を積むことができるような仕組みの実現が急務である。社会的には子育ての責任が各家庭に問われるような風潮が高まっているものの、その家庭自身が孤立化・弱体化している現状では、逆にすでに家庭や子どもを追い詰める結果になるため、地域や民間がその課題を解決するための併走者になっていかなければならない。この点において、プレーパークという場が貢献できる可能性は大きいと考える。

『目指すべき姿』
 かつて子どもは地域の子として、貧富の差なく、地域で遊び育つ相互の関係があった。これは見えない人間関係の綱の目が作用していたともいえる。家庭の孤立化、地域社会の希薄化が進む中、以前よりも見えにくくなってきている子どもの貧困・虐待問題、そして増加の一途をたどる発達障害・不登校などの課題に対して、親子にとっての身近な居場所・遊び場だからこそ、周囲の大人が気づいて手を差し伸べることができる、いわば社会のセーフティーネットとしての役割を本事業を加えた備前プレーパークの会は目指している。 また、SDGsの17番目には「パートナーシップの推進」という目標もある。子どもが主体性を自ら育むことのできる居場所や遊び場を気づいていくことにより、そこで育った子どもたちがこれからの社会形成へ主体的に関わり、将来のSDGsの協働の担い手となっていく一助になるのではないかと考える。 子どもたちにこれらかの力を育むために、子どもの育ちを支える現場(保育・教育・福祉)とプレーパークの活動が一体となり、多様な生き方の人々をつなぎあい、新しい時代の持続可能な地域コミュニティを創設し、当拠点を「点」とし、地域と行政をつなぐ支援で「線」へ、豊かな子ども達環境が備前市そして岡山県全体まで、全体の「面」へ広がっていくことを目指していきたい。

『実施する活動』
 現在活動拠点が無い為、まず、活動拠点となる居場所の整備活動から始める。あわせて利用想定者が抱える様々な問題に対処できる要員育成を行い、受け入れ準備を整える。 また、活動の柱の一つとして農業を考えている。農作業を通じて利用者の精神的安定を促し、将来の就労訓練につなげたい。また農業活動から上がる収益を本事業の継続的な活動を行うための原資と位置付けたい。

『出口戦略』
農作業の収益化とその収益による活動継続
・収穫した農作物を食材とした子ども食堂
・フリースクールの利用料設定(生活困窮世帯を除く)
・地域農業への農作業協力金
2026年には年間400万円の事業実施費を本事業の収益の柱として運営を続ける。

 

NPO法人子どもたちの未来を応援するオアシス丸亀(香川県丸亀市)

事業名:シャッター商店街を女性の起業拠点にし賑わいと生業をつくる事業

『解決する課題』
 香川県の空き家率は18.1%と全国平均(13.6)を大きく上回っている。特に丸亀市などの商店街では空き店舗率が35.9%(平成29年)となっており、行政が補助金を出して(改修費用上限100万円)も、継続的な支援はなく、新規開店しても廃業に追い込まれる場合も少なくない。こうしたシャッター商店街の多くは後継者がいなくなって店を閉めたケースが多く、自分で新たな改修をするのはもちろん、他人に貸し出すことにも消極的で、いずれ相続人が処分するまでは放置するなど、地域の活性化は進まない。こうした状況を変えるには不動産所有者に賃貸や売却をお願いし、一方で増えている失業者や起業希望者の生業の場に変えていくことが必要である。 また、コロナ失業は地方のアルバイターや派遣社員などの不安定雇用者を直撃し、社会福祉協議会の行う緊急小口資金貸付をはじめとする貸付実績は平年の100倍程度にまで増えており、生活困窮は深刻である。各種の給付金でお金があるように見えても一時的で、生活自体の不安定さは深刻である。特に子育て中のひとり親世帯は、2年前の学校休校や保育所の登園自粛のころから、働き続けることが困難で、首切りや事業所閉鎖などで最初に影響を受けている。また障がい者就労移行支援事業所でも閉鎖がおこるなど、社会の最も弱い部分からコロナの影響が出ている。子どもたちの2年にわたるコロナ対策で疲労しており、不登校や学業不振などが顕著になっている。 企業にとっても不採算の部分から見直しを始めるのは当然であり、手芸や裁縫などの教室や文化的な講座などは軒並み休止になり、優秀な技能をもつ先生が失業している。また、そうした教室や講座が困難家庭の交流の場となり、時には必要な他の社会的資源へのつなぎ役となっていたが、そうした機能がなくなり、困難家庭はますます孤立を深めている。景気の波や企業の論理だけで首切りに会う働き方だけでなく、自分のスキルを直接発揮するには自身が事業主となって起業し、利用者の要望に応えつつ自身の経済的自立を図ることが可能である。

『目指すべき姿』
 シャッター商店街のシャッターが開くには、多くの人がその場所で仕事を見つけなければならないが、大企業が工場や本社をそこに置くことはない。商店街では小さな商売、小さな零細事業者による経営体が増えることによってのみ復活ができる。一方で失業などで行き場を探している技能を持つ人や障がい者でも何らかの生産ができる人、事務のできる人など、生業を求める人は多い。その両方をつなげられれば、商店街に新たな活気と生活する人の拠点ができる。 また、困難を抱える家族には小さなショップや教室がほっと息のつける場所になり、フードバンクや学習支援、多くの社会福祉制度などにアクセスできるハブの場所にもなる。いわば重層的支援の民間版のような場所が作れる

『実施する活動』
 コロナで一方的な事業閉鎖を告げられた手芸裁縫教室の講師のもとには、これまでそこに来ていた母子家庭などから「どこに変わったの」「ぜひ再開して」という声があるが、他の企業がやる見込みもなく、再開するには自分で起業するしかなく、人にやとわれての仕事では利用者の希望に添えないなど限界もある。また、商店街の中で週に1回だけ「さおり織り」という織物を作っている障がいを持つ女性がいるが、販売して収入に変える方法が分からないでいる。 そこで空き店舗の目立つ丸亀市の商店街のテナントで手芸や裁縫などの親子で参加できる教室とそこでできた作品や織物を販売するショップ、そして、そうした起業をやってみたいと思う人のための起業スクールを同時に開校し、実践しながらノウハウを人に伝え、第2第3の起業につなげていく。

『出口戦略(どのように活動を持続していくか)』
 助成金の期間中は本法人からの賃金支払いという形になるが、助成金の期間終了後は、起業したショップ等の収益で自活できていることが目標であり、収益の上がる事業として成功させていく。その際に事業拠点を自己所有とできれば賃料の負担が下がり、経営の安定に大きく貢献できる。また法人の他の事業であるフードバンクや学習支援といった事業には国の政策としての補助金等も見込める中で、本事業に対しても資金の配分や食品等の現物支援なども可能になり、安定的に継続実施できるものと考える。

 

NPO法人未来ISSEY(香川県丸亀市)

事業名:多様性を受け入れる包括的な居場所づくり事業

『解決する課題』
付き添いや看護を担当する、病気や困難を抱える子どもの母親は、心理的ストレス・時間や場所などの制約があり、フルタイムで働けず離職することもある。そして将来的に自分と子どもの社会復帰・自立に対して不安を抱えている。また困難を抱えるAYA世代と呼ばれる思春期以降の若年層は、低い就職率・低賃金のため将来自立ができるのかという不安の中にいる。この状況下で社会復帰し仕事に就くには、在宅等で対応できるスキルを新たに身につける必要がある。技能習得する機会や意欲を取り戻し支えてもらえる場所(空間)も必要である。加えて自分で仕事を生み出したり探したりしにくい状況もある。従って、課題は「病気や看護など何らかの制限があっても、子どもを守りながら頑張りたいと思っている」母親と、思春期以降の困難を抱える子ども本人が、心的・経済的自立への支援を受ける「場所(空間)」がないことと、技能を習得し収入につなげていくシステムそのものがないことだと言える。

『目指すべき姿』
母親・子どもたちがもう一度社会との関係性を取り戻していくために、まず①気持ちを受け止めてくれる場所や人が集う「ふらっとカフェ」を開設する。母親や子どもたちが、未来ISSEYのスタッフや学生ボランティア(医学・看護・教育・福祉分野を勉強中)・地域の方たちとの家族的な交流の中で、自分を取り戻し心理的に強くなると、経済的な悩みを解決したり社会的立場を再び取り戻そうとしたりする。また、母親と同じ経験をもつスタッフがここで働く様子を目のあたりにすることで、母親は自分の将来を見つめ直し、希望をもつことができる。そこでスキルを持ちたいと考えた母親や子ども本人に対し、②パソコンやプログラミング、ウェブなどのITの技術、絵やデザインなどのアートの技術、お金の稼ぎ方を学ぶマネーの知識、コピーライターやウェブライターなど言語技術などのスキルを習得する「マイスタースクール」をカフェに併設する。また、地域の方たちが持つスキルを活かした「趣味スクール」も併設可能とし、ここにも学べるきっかけを作る。実力をつけた彼らに対し、③未来ISSEYが仕事の依頼ができる体制を整え、利用者それぞれが合う時間で仕事を行う。仕事をした経験は就職や起業に繋げることができるようにする。未来ISSEYはこれまでの約2年間の活動実績から動画・IT技術・プレゼンテーション等の技能を有する関係者・協力者が多数おり、法人そのものが仕事を受けて遂行・完了できる能力を有している。その中の業務を一部利用者に任せたり、フォローしたりできる体制がある。ゆえに自立していく力を支える支援・サポートを継続して行うことができる。また、これまでに構築した行政機関との連携をより密にし、仕事に繋がる企画に積極的に関わっていく。また④学生ボランティアや地域の方たちに、開放されたカフェ内で母親や子どもたちと触れ合うことで社会的課題を認知していただき、ボランティア活動の企画・運営に携わっていただく。この活動は県下に広がるよう行政機関へも働きかける。このことは10年後20年後の地域づくりに大きな影響を与えると考える。

『実施する活動』
・ふらっとカフェ・・・母親・思春期以降の困難を抱える子どもと地域の人・学生ボランティア・スタッフとのカフェでの交流
・マイスタースクール・趣味スクール・・・マイスタースクール - 就職・仕事につながるパソコンスキルやお金の知識を学べるスクールの開催、趣味スクール - 趣味を楽しみ、資格が取得できる
・働ける場の提供・・・印刷物・映像制作・WEBサイト制作など広告・プロモーションの制作物を未来ISSEYで仕事を受けれる仕組みにし、そこに母親や学生たちの働く場を設ける
・地域の人とボランティア活動を繋げる場所づくり(地域イベントへの参加、自主イベントの開催)

『出口戦略(どのように活動を持続していくか)』
資金面
・未来ISSEYが仕事を受注・発注した売上
・講座の受講料での売上(対象者は条件により安価で受講可能とする。その他の一般受講者からは別途金額を想定する。)
・貸しスペースとしての売上
・地域・企業からの寄付
人材面
・マイスタースクールでスキルアップした母親や子どもが仕事を継続すると共に、将来的にスクール講師・営業・広報等も担当していく。
・学生ボランティアは各学校への呼びかけはもちろん、大学サークルや高校の先生との連携で人材確保に努める。
・地域のシニア層にアピールするため、行政へのチラシ設置、社会福祉協議会での説明を行う。
・民間企業・社会福祉協議会・保健所丸亀市等行政・観光協会(オンラインで参加・仕事の受注を全国展開)に定期的に伺ったり、受注できる仕事の紹介メールを送ったりするなど、積極的に営業活動を行う。
広報面
・SNS、広告等を活用したPR
・地域のイベントへ参加することにより未来ISSEYの活動のPRを行い、カフェやスクールの認知度拡大を行っていく

 以上のように、「病気など困難を抱える子どもとその母親が経験者や地域の人と共に集い、心理的・経済的自立を目指す」香川県初の事業に、未来ISSEYが核となって取り組みたい。

 

選定に向けて

中国5県休眠預金等活用コンソーシアムでは、応募いただいた団体へのヒアリングを実施し、申請書類およびヒアリング内容をとりまとめ、外部有識者からなる審査委員会へ提出いたします。
審査委員会では申請書類の確認が中心となる事前審査と審査会の2段階で申請案件の審査を行い、各案件の審査結果を中国5県休眠預金等活用コンソーシアム運営委員会に報告いたします。
審査委員会からの報告を踏まえ、運営委員会が内定団体を決定いたします。(2022年4月頃決定予定)